天使と悪魔(下)

2006年1月30日 読書
 翻訳本というのは、翻訳者の感性が大きく作用するように思う。
 あるブログで「ダン・ブラウンの作品は芸術的でない」という意見もあった。この点に関しては多少の疑問がある。例えば、ハリーポッターのシリーズに関して言うと、翻訳者の力量が大きく関与していると思う。確かに名訳だ。別に越前 敏弥さんの訳が悪いという訳ではない。簡潔で読みやすい文章だと思うが、芸術的な表現に長けているとも言い難い。もちろん原文を読んだことがないので、あくまで想像なのだけど。
 苦労して訳して下さる方に申し訳ない発言だけれど、翻訳というのは、ある意味で自分の作品のようなもので、翻訳者の表現の癖というのがあるのを忘れてはいけないと思う。例えば「源氏物語」はたくさんの新訳がある。古文はある意味で外国語のようなもので「源氏物語」ひとつとっても様々な表現や翻訳する人の感性が現れてくる。英語の文章を翻訳するのだって同じことが言えるのではないだろうか。
 もし「天使と悪魔」の文章を英文で読みきるだけの力のある人なら、別の世界が見えてくるものかも知れない。

ISBN:4047914576 単行本 越前 敏弥 角川書店 2003/10/31 ¥1,890

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