この本の帯に担当編集者のコメントがあって(こんなの↓)

いままで本を読んで泣いたことは、一度もありませんでした。でも、この作品を読んで、はじめて涙をこぼしました。その涙は「哀しいから」とか「切ないから」とか「美しすぎる世界を描いているから」とか、どんなことばでも到底追いつけない、そんな涙でした。もし、ひとが一生のなかでつける「幸せのため息」の回数が決まっているのだとしたら、そのうちのいくつかは、確実にこの作品のなかでついてしまった、といまは深く強く思います。最終章。ぜひ、耳を澄ませて読んでみてください。きっとあなたの耳に、ある美しいひとつの曲が、強く、やさしく立ち上がってくるはずです。

 わたしは何故だか泣けなかった。確かに感動はしたし、西加奈子さんは本当に才能のある人だなと、しみじみ感じたけれど、心の中に違和感が残った。多分、わたしの中で家族の存在があったかい温もりのあるものでは、ないからだと思う。普通の人が家族に抱く当たり前の感情が欠落しているのかも知れないな。多分。だから、ごく普通に育った人が読めば泣けるのだろうなと思う。そういう人は、もう、それだけで幸せな人なんだろうな。

 ところで、今年は50冊を読破する目標をたてているのだけれど「さくら」で5冊目になりました。最近は読んだ本のことぐらいしか書いていませんが〔HOME〕では、わりと頻繁に更新していますので、よろしかったら一度、遊びに来て下さいね。

西 加奈子 小学館 2005/02 ¥1,470

コメント

蒼い空
2006年2月6日18:23

こんにちは。
私も本を読みたくて、一種の活字欠乏症?になってます。
やっぱり母国語の本が読みたいので、今日はインターネットで9冊を注文しました。
日本からの輸入になるので、2〜3週間はかかります。

私もこの本を読んでも泣けない気がしました。
家庭環境の影響って、死ぬまで続くものなんでしょうね。
普通でないから逆に人にはない感性を得られるものなのかな・・そんな事も思います。

アンドロメダ
アンドロメダ
2006年2月6日19:51

>普通でないから逆に人にはない感性を得られるものなのかな

そうかも知れないですね。不足した愛情を天に求めているのかも
だからこそ、人の心の痛みがよくわかるのかも知れませんし・・・
悪いこと、ばかりでは、ありませんよね。
ネットで本の注文ができるのですから、蒼い空さん、
便利な世の中で良かったですよね。読書を楽しんで下さいね。

nophoto
空飛ぶナースむっちー
2006年2月7日21:51

アンドロメダさん、「さくら」読み終わったのですね。

泣く泣かないは人それぞれ、そして、同じ人でもその時の気持ちや状況で変わってくる気がします。
泣くのが目的で読む人は、泣けないとがっかりするのかもしれないけど、目的がそうでなければ、泣く泣かないではなく、何かしら心に感じることができたこと、気付くことができたこと、それが複雑な気持ちであっても、いろんな思いが溢れたこと、そういう部分が大事なのかなって思います。そうして、その本が私たちの心をいろんな意味で豊かにしてくれる気がします。

10年ちょっと前、ずっと涙が出ない時期がありました。
何が起こっても、何を読んでも涙が出なかったんです。強くなろうとしてたのか、冷めていたのか、なんだったのか。

世の中に、悲しみの涙ではなくて、感動の涙、嬉しい涙が溢れますように。幸せの涙を流す人が溢れますように・・・。

アンドロメダさん、今日「博士の愛した数式」を半分読みましたよ。小川さんの文章が、アンドロメダさんに通じてる感じがしています・・・。

アンドロメダ
アンドロメダ
2006年2月10日17:42

むっちーさん、ありがとうございました。

>何かしら心に感じることができたこと、
>気付くことができたこと、
>それが複雑な気持ちであっても、
>いろんな思いが溢れたこと、
>そういう部分が大事なのかなって思います。
>そうして、その本が私たちの心をいろんな意味で
>豊かにしてくれる気がします。

そうですね。その通りだと思います。
むっちーさん、ありがとう。
むっちーさんの優しさが伝わってきます。

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