この本を読んだのは中学の三年の時のことだった。図書室でかりた本だったのだけど(微かな記憶をたどってみると)手にした時にすでに古びた感じだったので、今、こうして文庫で出版されていることが、不思議な感じがする。永遠のヒューマンドキュメンタリーなのかも知れない。
 副題にある通り、ローラはフライパンで焼かれてしまった。確か、泣き声がうるさい、そういって両親は1歳のローラをフライパンで焼いた。一命をとりとめた幼子は知的障害児として施設に送られるが、他者への恐怖と絶望から言葉を発することができなかった。12歳のローラが臨床精神科医の著者とめぐりあったとき、運命は新たなる道を辿りはじめた。
 この本を読んだ頃、わたしは家庭内の殺伐とした雰囲気と父親の暴力に心を痛めていた。わたしは中学を卒業すると家を出ることになるのだけれど、案外、この本がきっかけになったのかなと思う。人間の愛と再生と感動の物語だった。

ISBN:4062564114 文庫 関口 英男 講談社 2000/02 ¥819

コメント

レイ
2006年2月10日20:25

初めまして。私も子供の頃、図書館で借りて読んだことがあります。

これを読んだ頃。確か小学生か中学生くらいだったかと。
表紙こんなんでしたっけ?違ったような気がするけど、、、。子供心にとてもショックを受けた記憶があります。
何度も、何度も読み返した一冊です。
懐かしくて、思わずコメントしてしまいました。

アンドロメダ
アンドロメダ
2006年2月10日22:54

レイさん、コメントありがとうございました。この表紙は新訳の文庫本の表紙です。わたしが読んだ本も文庫ではありませんでした。確かにショックな内容ではありますが、ローラが愛を実感しながら心身ともに回復していく姿には大きな感動がありましたね。

レイ
2006年2月12日14:38

そう、本当に感動した!!素晴らしかったの。そうですよね、当時はこんな綺麗な表紙ではなかったですよね。この本探してまた読んでみたいと思っています。お返事ありがとうございました。

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