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 2005年国内で一番売れたSFは小川一水の「老ヴォールの惑星」でした。思えばSFが大好きだったのは中高校生の頃で、それ以降は、あまり読んでいなかったこともあるし、この本が凄いらしいという噂を耳にしても「ふうん、そうなんだ」と思う程度だった。

 読み終わって正直「しまった」と思った。ハンマーで頭をガツンと殴られたようだった。この本には短編4作が収録されている。

「ギャルナフカの迷宮」極限の世界で人間はどう行動するのか試されているような作品。「老ヴォールの惑星」2003年SFマガジン読者賞受賞作品。「幸せになる箱庭」オンラインゲームが好きな私には考えさせられるものがあった。「漂った男」悲劇的な状況でどう人が生きていくのかが描かれている。

 4作の中で特に「老ヴォールの惑星」は常人の想像の域を超えたところにあり、読み終わった後は言葉がみつからなかった。感動という言葉を突き抜けてしまって、しばらく心臓の鼓動がどくどくと胸を打っていた。

 解説でノンフィクション・ライターの松浦晋也さんは、小川作品の入門のために「復活の地」を薦めているので、ぜひ読んでみたいと思っている。

小川 一水 早川書房 2005/08/09 ¥756

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